絶縁抵抗計(メガテスター)の使い方ガイド:基本操作と注意点を解説

絶縁抵抗計(メガテスター)の画像

絶縁抵抗計(メガテスター)は様々な使い方ができますが主に電源配線検討の漏電などを調査するために使用する測定機器です。

そのため電気機器の安全性確保や故障診断、人体への感電予防策をする上で欠かせない測定器になります。

しかし、絶縁抵抗計(メガテスター)は使用方法を誤ると電気機器を破損させてしまったり、自身が感電してしまう恐れがあるため適切な操作方法と注意点を知ることがとても重要です。

この記事では、初心者でも安心して絶縁抵抗計(メガテスター)を使用できるようにするための使い方や使用上の注意点をわかりやすく解説していきます。


絶縁抵抗計(メガテスター)の使い方ガイド:基本操作と注意点を解説

この記事では絶縁抵抗計(メガテスター)の使い方について解説しますが、そもそも絶縁抵抗とはどういった指標なのかについて少し触れておきたいと思います。

絶縁抵抗については簡単に説明すると電気が外部に漏れない性能を数値化したものになります。

絶縁抵抗計(メガテスター)はこの絶縁抵抗を測定するために使用され電気配線や電気機器(モーターやファンなど)の絶縁状態を評価します。

絶縁抵抗計(メガテスター)の基本操作

絶縁抵抗計(メガテスター)がどのような用途で使用されるかを理解したところで実際の使い方を見てみましょう。

今回は対地間絶縁抵抗を測定するケースで見ていきましょう。

初心者向けステップバイステップガイド

絶縁抵抗計(メガテスター)の解説
  1. 準備: 測定対象の電気機器の電源を切り(ブレーカーなど)、測定ポイントを確認します。
  2. 測定器の準備: 測定対象の電気機器の電圧などから適切な絶縁抵抗計(メガテスター)を準備します。使用するモデルによって多少操作が異なりますが、基本は電源を入れた後、まずバッテリー状態を確認します。(最近の絶縁抵抗計(メガテスター)はバッテリー確認レンジがあり、バッテリーチェックランプによりバッテリー状態を確認することができます。)その後、測定する直流電圧レンジを設定します。
  3. 接続: 一方のプローブ(黒色のワニ口)をアース部分に接続し、もう一方を測定するポイントに当てます。
  4. 測定: 接続が完了したら測定ボタンを押すことで抵抗値を取得することができます。表示された抵抗値で絶縁性能を評価します。

絶縁抵抗計(メガテスター)使用時の注意点

感電及び機器故障の注意

ここからは絶縁抵抗計(メガテスター)を使用する上で注意しなければいけない点を解説していきます。

絶縁抵抗計(メガテスター)の種類と出力レンジについて

絶縁抵抗計(メガテスター)には最大で1000Vまで出力可能なタイプも存在します。

測定方法(線間絶縁抵抗測定)や対象機器次第では出力レンジを誤ると対象機器が故障する恐れがあります。

対象機器や測定方法に応じて適切なレンジ設定及び接続に注意しましょう。

感電の危険性について

絶縁抵抗計(メガテスター)では、基本的にバッテリーを使用して直流電圧をかけて絶縁抵抗を測定するため、さほど電流が流れることはありません。

とはいえ、あやまって自身と絶縁抵抗計(メガテスター)の測定ピンが接続するとビリッと感電するので注意が必要です。

測定箇所の注意について

絶縁抵抗計(メガテスター)は基本的に電源配線などに使用しますが、誤って電子機器の信号線などに接続し、測定すると電子機器の基盤などを破壊してしまう場合があります。

電源線と信号線などが近接している場合は特に注意しましょう。

絶縁抵抗計(メガテスター)のトラブルシューティング

最後に絶縁抵抗計(メガテスター)のよくあるトラブルについて把握しておきましょう。

一般的なトラブルと解決策

  • 測定値がゼロのまま: 接続不良やアースが取れていない可能性があります。再度接続を確認しましょう。
  • 不安定な数値: 測定対象に測定ピンが正常に接続されているかチェックしましょう。場合によってはテスターなどで配線の導通試験を行いましょう。その他計測部分の端子に緩みがないか確認しましょう。
  • 絶縁抵抗計(メガテスター)が作動しない: バッテリーが切れている可能性があります。バッテリーが正常な場合は内部故障の可能性がありますので専門業者へ相談しましょう。

まとめ

今回は絶縁抵抗計(メガテスター)の正しい使い方について解説しました。

電気設備の保全において絶縁抵抗計(メガテスター)は非常に重要な役割を果たします。

絶縁抵抗計(メガテスター)の正しい使い方を覚えることで電気設備の保全や故障診断がより正確に行えるようになります。

また、使い方や注意点を覚えることはもちろんのこと、湿気や雨に直接当たらないように正しく保管することで測定機器は長く使用できることもしっかり覚えておきましょう。

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