電気設備工事や点検・整備に不可欠な「メガテスター(絶縁抵抗計)」。その選定に迷う方は多いのではないでしょうか。
この記事では、用途や現場にあわせた選び方のコツから、Hioki・共立電気計器など主要メーカーのおすすめモデル比較、アナログ・デジタルの違いや人気機種、失敗しないポイント、購入後も安心の校正・メンテ情報まで徹底解説します。
初めての方はもちろん、現場でのプロ目線や口コミも踏まえて、実務で本当に役立つメガテスター選定の決定版ガイドです。
購入前に知っておくべきポイント
この章では、メガテスター選定の際に必ず押さえておくべき“基本条件”と、“失敗しないポイント”をわかりやすく整理します。
測定電圧と用途に注目
- メガテスターの最大定格(通常250V、500V、1000V等)が現場設備や対象機器の規格・用途と適合しているかを確認しましょう。
- 一般住宅配線や情報通信なら500V(または250V)モデルが主流。産業用モーター/高圧機器向けには1000Vが必須となります。
測定レンジの確認
- 測定範囲(最大表示値)が「測定したい絶縁抵抗値」に合っているかチェックしましょう。例)「0~1000MΩ」まで計測可能か?「最小0.01MΩ」まで誤差なく測れるか?
アナログ or デジタル
- 針式(アナログ)は波打ちやすい現場でも値が読み取りやすい一方、数値での記録や細かな表示・データ保存ならデジタルメガテスターが有利です。
現場での耐久性・視認性・安全性
- 防塵・防水(IP規格など)、落下耐性、バックライト機能、有害電圧ブザーなど現場での安全性や視認性も重要です。
校正証明書やアフターメンテ
- 現場提出や品質保証のために、「校正証明書付き」や定期点検サービス対応が重要視されます。
主要メーカー(Hioki・共立)特徴比較
ここでは特に人気・実績の高い国内2大ブランド、Hioki(日置電機)と共立電気計器(KYORITSU)の特徴や製品傾向を比較します。
主要メーカー | 特徴・強み | 代表機種例 | 備考 |
---|---|---|---|
Hioki | 高信頼・高品質。操作性/安全性に優れ、コンパクト設計。現場向け堅牢性が高い。 | IR4052-50など | 幅広い絶縁レンジ、安全機能搭載モデル豊富 |
共立電気計器 | 老舗ブランド・国内シェア高。ベーシック機から多機能機まで広くサポート。実勢価格も手ごろ。 | KEW 3551 | アナログ/デジタル両対応、現場ごとの選択肢多 |
他メーカー
サンワ、三和電気計器、横河、三菱電機等も根強い人気があります。
ただし国内現場での調達性や校正対応まで含めると、Hioki・共立が最も安心しておすすめできます。
アナログVSデジタル用途別おすすめ

このセクションでは、一見すると分かりづらい「アナログ式・デジタル式」のメリット・デメリットや用途の違いを明確にします。
項目 | アナログ式 | デジタル式 |
---|---|---|
特徴 | 針が動く表示。動的変化・トレンド確認に◎ | 数値で明確表示、記録性・多機能 |
メリット | 電磁ノイズにも強い、電源不要、短絡確認も容易 | バックライト・データ保存、誤読少・便利機能多 |
デメリット | 記録・管理は手書き、細かい値読み取り苦手 | 価格はやや高め、電池切れ注意 |
こんな現場におすすめ | 昔ながらの現場、シンプル・屋外作業、学校教材 | 多点点検、データ管理、作業新人、安全対策を重視する現場 |
※特定用途・業務フロー(点検報告・データ提出)がある現場ならデジタル一択。それ以外は「慣れている使い勝手」や設備要件での選定がおすすめです。
【2025年最新】おすすめモデル
このセクションでは様々な業務シーンに対応できる代表的なおすすめ機種を紹介します。
おすすめメガテスター(絶縁抵抗計)2選
- Hioki IR4052-50(デジタル)
定番モデル。3レンジ(250/500/1000V)切り替え、耐衝撃ボディ、オートレンジ・LEDライト付。
Amazonで見る→Hioki IR4052-50(デジタル)
- 共立電気計器 KEW 3551(アナログ)
安価で使いやすいシンプル設計、実務評価◎。耐久性も上々。学校教材用にも。
Amazonで見る→共立電気計器 KEW 3551
現場ベテランの口コミ
「IR4052-50は数値が回路ごと一目で分かる・合否判断も早い」「3551は安定して壊れにくい。アナログ最強」など、実運用でも高評価です。
信頼できる校正・メンテナンスサービス
精密機器であるメガテスターは、定期的な校正・点検サービスの有無が現場信頼性につながります。ここでは主要メーカー・販売店対応、サービス選定のポイントをまとめます。
- Hioki・共立電気計器ともに、校正証明書発行対応(有償/新規購入時選択可)
- メーカー直送/正規販売店経由の校正申込みが安心
- 校正周期目安は“1年に1回”
- 依頼時はシリアルNo.付属書類・純正部品を用意
- 不具合修理・バッテリー交換・端子接触点検も一括相談OK
納入現場や公共工事、ISO対応現場では“校正証明書付き”購入が必須です。
よくある質問・注意点
このセクションでは、メガテスター運用前後にありがちな疑問やトラブル・意外な注意点をQ&A形式で紹介します。
Q1. いつメガテスターが必要?
→ 電気工事後の配線確認や、年次点検、絶縁不良機器の切り分けに必須です。
Q2. 長期間未使用の場合は?
→ 年1回の自己点検+定期校正・バッテリー交換を推奨。
Q3. 使用上の注意は?
→ 測定先に活線(通電中)がないことを必ず確認。リードの損傷・絶縁体の劣化にも注意。
Q4. 異常値が出たら?
→ 配線・接続部の再点検と、新旧2台でのクロスチェックが有効。
まとめ
メガテスター選びで大切なのは、「用途に合わせたスペック・校正・使いやすさ」そして現場や法令、納品現場要件ごとの“きめ細かな対応”です。
本記事の比較表・おすすめ機種リスト・校正サポート情報などを活用して、失敗のない安全・安心な計測環境構築にぜひお役立てください。