IoT(Internet of Things)市場が世界的に拡大し続ける中、「LTE-M(ltem)」は多くの企業や開発者がネットワーク選定の際に注目する最新セルラー通信規格の一つです。
しかし、「LTE-Mって本当に何?」「LoRaやNB-IoT、5Gとの違いは?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、LTE-Mに焦点を当て、LTE-Mの特徴や仕組みについて解説します。
LTE-M(ltem)とは?IoTで注目の最新通信規格をわかりやすく解説
LTE-M(正式名称:LTE Cat-M1)は、LTE(Long Term Evolution:4G)ネットワークをベースとしたIoT/M2M(Machine to Machine)用の国際通信規格です。
従来のスマートフォン用LTEよりも、省電力性やコスト効率に優れる点が特徴となっています。「ltem」は“LTE Machine-type Communications”の略称表記として使われています。
LTE-MがIOT領域で注目される理由として、以下の点があげられます。
LTE-MがIOT領域で注目される理由
- 省電力で長期間稼働が可能(バッテリー駆動デバイスに最適)
- 安定した広域通信カバレッジ(人口カバー率が高い携帯網を活用)
- 低コストかつ低遅延な通信(応答性の高いIoTアプリにも対応)
- 音声通話やSMS送受信もサポート(NB-IoTなどにはない機能)
LTE-Mの特徴と仕組み:IoTでのポジショニング

LTE-M(LTE for Machine Type Communication、略してltem)は、多数のIoTデバイスが小容量のデータを効率良くやりとりするために設計された通信規格です。
従来のスマートフォン向けLTEと異なり、IoT特有の「省電力」「低コスト」「小型化」に最適化されている点が特徴です。
既存の4G LTEインフラを利用できるため、全国規模で広範囲の通信が可能で、新規インフラ構築の必要がありません。
通信速度は最大でも数百kbps程度に抑えられており、特に環境センサーやスマートメーター、遠隔地でバッテリー駆動が必須の機器に適しています。
技術的には、収集したデータをLTE-M経由でクラウドや管理サーバーへ送信し、セキュリティ面でもSIM認証や暗号化通信が採用されています。
これにより、効率的で信頼性の高いIoT活用が可能となっています。
LTE-Mの主な特徴としては以下の点があげられます。
LTE-Mの特徴
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【新たにわかったこと】
- LTE-MはIoT機器向けに省電力通信を実現するため、PSM(Power Saving Mode)やeDRX(extended Discontinuous Reception)などの省電力技術を搭載しています。これにより、バッテリー駆動のデバイスでも長期間運用が可能です。
- 既存のLTEネットワークを利用できるため、日本全国の主要な通信キャリア(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)でほぼLTEエリアと同等の広いカバレッジを実現しています。また、移動中の端末(自動車、バイク、物流資産など)でも安定して通信できる「ハンドオーバー」に対応します。
- 一般的なLTEより通信速度は抑えられている(最大1Mbps程度)ものの、IoT用途には充分な速度です。デバイスからセンサーデータや位置情報など小容量データの送信を高い信頼性で行うのに適しています。
- LoRaやSigfoxといった他LPWA通信と異なり、LTE-Mは双方向通信をサポートしているため、データの送信・受信がリアルタイムで行えるほか、アラートやリモートコントロールにも柔軟に対応できます。
- LoRa、Sigfox、NB-IoT等と比較して、「モジュールコストはやや高め(ただし通信の安定性は高い)」「対応地域が広い」「移動体用途にも強い」が特徴です。NB-IoTは域内での固定設置機器向け、LoRaやSigfoxはさらに消費電力重視、低コストで通信頻度や速度に制約があります。
- ライセンスバンド(通信免許が必要な周波数帯)を利用するため、電波干渉のリスクが低い点も利点です。
LTE-Mはどんな用途・事例で使われている?

LTE-MはIOTシステムにおける通信規格として様々な用途で活用されています。
主に産業分野や社会インフラでの活用が進んでおり、今後あらゆる領域において活用されていくことでしょう。
以下は現在LTE-Mが活用されている事例となります。
【産業・社会インフラ】
- 設備の遠隔監視、稼働分析、予知保全
- スマートメーター(電気・ガス・水道)自動検針
- 資産・物流トラッキング(パレット、工具、貨物等)
- 橋梁やトンネルなど公共インフラ設備の遠隔監視
- ゴミ収集ルート最適化や環境センサーの連携
【農業・環境】
- 土壌・水分・気象データの遠隔収集とリアルタイム監視
- 家畜などの健康・位置トラッキング
- 生態系モニタ、山火事・災害監視
【コンシューマ・ヘルスケア】
- ウェアラブル端末(独立通信型スマートウォッチ等)
- 子どもや高齢者、ペットの見守りサービス
- 医療・健康データの自動送信デバイス
- 自転車・カバン等の盗難・所在監視
LTE-Mのよくある質問(FAQ)まとめ
Q1. LTE-MのIoTモジュールやeSIMを選ぶ際の注意点は?
- 国内キャリア向けとグローバル対応品で周波数帯や認証が異なるため、製品仕様をよく確認。
- 省電力性能(PSM・eDRX対応)やファームウェアの更新性も重要。
- モジュール単価だけでなく、通信SIMサービスの月額費用・提供エリア・APIサポートも必ず確認を。
Q2. LTE-Mのデメリットや注意ポイントは?
- 超大容量データや常時ライブ動画配信用途は難しい。
- 海外利用時は「ローミング非対応」事業者もあるので要チェック。
Q3. 既存LTE-SIMをLTE-Mで流用できる?
- 原則不可。必ずLTE-M(Cat-M1)対応SIMを選定。
- eSIM対応サービスも拡大中、将来性は非常に高い。
まとめ
LTE-Mは「広域カバレッジ」「省電力」「低遅延」のバランスに優れ、国内大手キャリアも網羅したIoT通信サービスの中核規格として成長中です。
IOTサービス事業者は「世界展開も視野に入れたい」「低消費電力デバイスを大量展開したい」など、IoTの実装現場ではぜひ押さえておきたい選択肢です。
今後ますます活用が拡大していくため、市場の動向を注目しましょう!