計装士とは?1級・2級資格の違い・業務内容を徹底解説【2025年版】

計装士を保有する計装エンジニア

工場やビルなどの自動化・省エネの現場で欠かせない「計装」。その専門家である計装士は、近年ますます注目されるエンジニア職として人気を集めています。

この記事では、「計装士とは何か?」から、1級・2級の資格の違い、現場での具体的な業務内容、受験資格や取得メリットまで初心者にもやさしく解説します。

資格取得を考えている方、キャリアアップや転職を目指したい方のために、制度・立ち位置・合格率等にも触れつつ、信頼性の高い最新情報をお届けします。


計装士の概要と役割

まず計装士の基礎知識として、その役割や求められるスキルについてわかりやすく紹介します。

計装士とは?

計装士は、計装(Industrial Instrumentation:計測+制御)の設計・施工・保守を担う、計装分野のプロフェッショナルです。
「計装」とは、温度や圧力、流量などの測定・調整を通じて、機器を自動制御することで工場や建物の生産工程・設備を安全かつ効率的に運転する技術分野です。

そのため計装エンジニアは「ものづくり」や「インフラ」の心臓部を担う技術者ともいえます。

活躍できるフィールド・主な業務内容

計装士はどんな現場で活躍し、主にどのような仕事をしているのでしょうか。このセクションで具体的なフィールドや仕事内容をご紹介します。

活躍する現場(主な業種)

  • 工場・プラント(製造業/化学/食品/鉄鋼/石油 等)
  • ビル管理・建築設備(オフィスビル、病院、学校 等)
  • インフラ施設(上下水道処理場、発電所 等)
  • エネルギー・環境系企業 など

主な業務内容

業務カテゴリ内容例
システム設計計測制御機器の選定・設計、制御盤設計
施工・工事計装配線施工、機器据付、計測検証
試運転・調整システム全体の作動確認・調整
保守・点検機器交換、故障対応、定期点検
コンサルティング設備更新提案、省エネ診断 など

幅広い現場で“生産設備の頭脳”を支える存在となっています。

計装士に求められる能力

計装士には、計測・制御・電気・ネットワークの基礎に加え、

  • 図面読解力
  • トラブル対応力
  • コミュニケーション能力
    など、理論と実務両面のスキルが求められます。

計装エンジニアの詳しい業務内容やスキルについて詳しく知りたい方はこちら→計装エンジニアとは?業務内容や求められるスキルを解説

国家資格?民間資格?計装士にはどんなメリットがあるか

資格の勉強をする男性

ここでは計装士の資格制度や取得メリットについてまとめます。

計装士は民間資格

計装士は、(一社)日本計装工業会(JCAS)が運営する民間資格です(国家資格ではありません)。
ただし、計装分野唯一の公式認定資格として、建設業法による「主任技術者」「監理技術者」の選任要件にもカウントされる等、社会的な信頼性は非常に高いです。

資格取得によるメリット

  • キャリアアップ・転職に強い
  • 受注(公共工事等)の際のアピールに◎
  • 現場での指導・管理職への昇格に有利
  • 1級取得で実質「計装現場のリーダー」になれる

実際、計装関連の求人では「計装士保持者歓迎」「資格手当あり」も珍しくありません。

1級・2級の違い、取得メリット(表比較)

ここでは、計装士の資格等級(1級・2級)の違いや選び方、どちらを目指すべきかを一覧で比較していきます。

資格区分の比較表

区分内容・特徴受験資格主な業務イメージ資格価値・メリット
1級チーム責任者・施工/設計リーダー2級取得後、実務4.6年(累計)or実務5年以上監理・指導・計画策定・技術審査など監理技術者、主任技術者要件中心。昇進・手当◎
2級実務者・チームメンバー現場対応実務2年以上作業指示受領・施工実務・保守施工現場エントリー・資格手当、現場デビューに最適

※1級は計装工事の監督や大規模現場リーダーに、2級はチームの主力や新人技術者に最適な資格となっています。

取得メリットのポイント

  • 2級で「計装士」を名乗れる。業界エントリーや現場で即戦力。
  • 1級取得でマネジメント職・主任技術者にも昇進しやすい
  • 監理技術者の主任技術者要件を満たせる(主任技術者選任が必要な大規模工事で必須)。

受験資格・実務経験証明について

計装士資格の受験条件や、働きながら取得する場合の実務証明について整理します。初めて受験する人も安心できるようステップごとに説明します。

受験資格の概要

  • 2級:実務経験2年以上
  • 1級:2級保持+実務4.6年以上(累計)/または実務経験5年以上
  • ※学歴・年齢の制限はありません

実務経験証明とは?

  • 在籍している(または過去に在籍した)会社の上司・担当者による証明書類が必要です
  • 申込時に現住所・氏名・業務実績(案件名や期間)をフォームで記載し、署名・社印をもらう形式
  • 転職や派遣など複数社で実務を積んだ場合は合算可能

受験までの流れ

  1. 公式サイト(日本計装工業会)から願書ダウンロード
  2. 実務証明書を準備・記入
  3. 郵送またはWEB申込(毎年春前後が多い/詳細は公式案内)
  4. 試験(学科+実技、会場は全国主要都市が中心)

まとめ

計装士は、ものづくり・インフラの「見えない頭脳」として活躍できるプロ資格です。2級取得で現場の主力に、1級取得で現場管理・マネジメントへの扉が開かれます。

資格取得は転職やキャリアアップにとっても大きなメリットとなり、業界でも高い評価を受けています。


受験を検討中なら、まずは2級からチャレンジ→現場経験を重ねて1級へのステップアップがおすすめ。公式サイトや教材リンクも活用して、最適なキャリアを描きましょう!

計装士の難易度や合格率についてはこちら→ 計装士の難易度と合格率を徹底解説|合格ライン・学習のヒント付き

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サービスエンジニア向け専門サイト【HACOMONO(ハコモノ)】の運営者です。経歴【制御(計装)・IOTエンジニア/Webデベロッパー(副業)】を7年程経て、エンジニアリング会社を起業。保有資格は電気通信主任技術者/計装士/電気工事士etc...。このサイトではサービスエンジニア向けに技術情報やキャリアアップ、転職や独立支援などの情報を発信しています。