電子機器の中によく組み込まれているダイオードは非常に重要な役割を果たしています。
しかし、ダイオードと聞いても、その仕組みや活用方法についてピンとこない方も多いのではないでしょうか。
この記事ではダイオードについて基礎知識や仕組み、電子回路上での記号まで体系的に解説していきます。
ダイオードとは何か?初心者にもわかりやすく解説

ダイオードとは電流を一方向にのみ流す性質を持つ半導体素子です。
具体的にはP型半導体とN型半導体を接合した半導体素子になり、それらの境界面での電圧の動きによって電流の流れが制限されるという特性を持っていますが、ここでは電流を一方向にのみ流す性質を持つ半導体素子ということだけ覚えておきましょう。
この電流を一方向にのみ流す性質をうまく活用することで様々なことができるようになります。
ダイオードの活用事例:整流回路

ダイオードの性質を活用した事例として整流回路があります。
ダイオードの電流を一方向にのみ流す性質は整流といって、交流における負の電位を正の電位に変換することができます。
分かりやすくすると交流を直流に変換することができるのです。
この整流回路はダイオードブリッジといい、4つや6つのダイオードでブリッジ回路を組むことにより、交流を直流に変換する(コンバート)が可能になります。
ダイオードの整流回路(コンバータ回路)により、交流から直流に変換することで直流電源を必要とする家電やインバータなどの産業機器を扱うことができるようになったのです。
ダイオードにおけるアノードとカソードについて

ここまでダイオードの基礎知識から活用事例まで解説してきました。
ここからはもう少し踏み込んで、ダイオードの専門的な部分について解説していきたいと思います。
ダイオードには「アノード」と「カソード」という2つの端子があります。
アノードはダイオードの正極で、正の電圧がかかったときに電流が流れ始めるポイントです。
一方、カソードは負極側で、アノードから入った電流が出る側になります。
一般的にダイオードに白い帯やマークがある方がカソードであり、回路に組み込む際には極性を間違わないように注意が必要です。
ダイオードの向きと記号について

ダイオードの記号は、基盤などの電子回路を理解する上でとても重要です。
回路図においては、ダイオードは一本の線で示され、一方の端には矢印が描かれています。
この矢印は電流の流れる方向、すなわち「順方向」を示します。
矢印は「アノード」から「カソード」に向かって描かれ、電流は通過しますが、逆方向には流れません。
特に電気系エンジニアの方は、基本的なダイオード記号について覚えておきましょう。
まとめ
ここまでダイオードについて基礎知識や仕組み、電子回路上での記号まで体系的に解説してきました。
ダイオードは、理解しやすい基本的な電気部品でありながら、数多くの電子回路で利用されている重要な半導体素子です。
ダイオードの向きや記号の理解、アノードとカソードの役割を正しく把握して、ステップアップしていきましょう。