エアコンの取り付け工事には様々な専門的な知識が求められます。
エアコンの適切な設置はエアコンの機能を最大限に活用し、長寿命化を図ることができます。
また、不適切な工事はエアコンの能力低下や故障の原因となり、トラブルのもとにもなるため、取り付け工事のポイントを抑えることが非常に重要です。
この記事ではエアコン取り付け工事における注意点やポイントを詳しく説明し、エアコン据付工事についてより理解を深めるガイドとなっています。
エアコン取り付け時のポイントを徹底解説!据付工事の注意点を知ろう!

室内機取り付け時のポイント
それではさっそくエアコン取り付け工事におけるポイントについて解説していきます。
まずは室内機の取り付けにおけるポイントから見ていきましょう。
室内機を適切な場所に設置しよう
室内機を効率的に作動させるためには、気流分布を考慮した設置が必要です。
室内機のショートサーキットを防ぐため、風が広く部屋全体に行き渡る位置に設置しましょう。
室内機を水平に設置しよう
エアコンのトラブルでもっとも多いのが水漏れです。
室内機が傾いているとドレンパンからうまく排水されず水漏れの原因となってしまいます。
ドレンパンからの水漏れを防ぐため、室内機の取り付けには水平器を使用し、水平に設置しましょう。
壁掛けエアコンの取り付け位置は1.8mから2.0m以上を確保しよう
エアコンの機種によっては人感センサーを利用して、風向を制御する機種もあります。
あまりに低い位置にエアコンを取り付けてしまうと人感センサーが人を検知できない場合があります。
そのため人感センサーが正確に動作するために、床から充分な高さを確保することが求められます。
石膏ボードの壁にはボードアンカーを使用しよう
室内機の固定にはビスを使用しますが、石膏ボードの壁には必ずボードアンカーを用いて確実にエアコンを固定する必要があります。
ボードアンカーを利用しないとエアコンが脱落する危険性があるため、壁の素材には注意しましょう。
室外機取り付け時のポイント

次に室外機取り付け時のポイントについて解説していきます。
吹き出しに障害物がないことを確認しよう
室内機でも解説しましたがショートサーキットを防止するため、室外機の吹き出し口に障害物がないことを確認しましょう。
特にバルコニーが狭い場合などは注意が必要です。
室外機の転倒防止処置をしよう
室外機の安定性を保つため、基礎ボルトによる固定をしっかりとしましょう。
また、壁面架台による取り付けなどの場合によってはワイヤーなどを使用し、しっかりと転倒防止処置を行いましょう。
壁貫通部の工事ポイント

貫通口は室内機と室外機を結ぶ壁の貫通部は冷媒配管やドレン配管、連絡線が通る重要な穴です。
エアコン取り付け工事の際には壁貫通穴にしなければならない処理がいくつかあります。
さっそく工事のポイントについてみていきましょう。
貫通穴は外に向かって下り勾配に使用
ドレン排水がしっかりと流れるために、貫通穴は屋外に向かって下り勾配にします。
貫通穴が下り勾配になっていないとドレン配管も勾配がつかない可能性があるため注意が必要です。
貫通穴にはしっかりとパテ埋めを使用
貫通穴は夏場の高温多湿の空気や虫などの侵入を防ぐため、必ずパテを用いて密閉しましょう。
ポイントとして室内側と屋内側の両方からパテ埋めすることがとても重要になります。
冷媒配管工事のポイント

エアコンにおける冷媒配管工事は据付工事の肝と言っても過言ではありません。
しっかりと空調機の能力を発揮するためにも重要なポイントを抑えておきましょう。
冷媒配管の三原則(清浄・気密・乾燥)を守ろう
有名なのが冷媒配管工事の三原則である清浄・気密・乾燥です。
冷媒配管内にゴミや空気が混入してしまうと故障や能力低下の原因となります。
この三原則はしっかりと抑えておきましょう。
適切なフレア加工をしよう
フレアの加工はサイズなどを確認し、適切な工具で加工しましょう。
また、ポイントとしてフレア面に冷凍機油を塗布することでフレアナットがスムーズに締まります。
真空引き(エアパージ)は10分以上行うこと
通常のルームエアコンの取り付け工事では、最低でも真空引きは10分以上行うのが理想的です。
配管内の湿気や空気を除くため、充分に真空引きを行いましょう。
ドレン配管工事のポイント

ドレン配管工事は室内機からの水漏れを防止する上で重要なポイントです。
何度も言いますがエアコンのトラブルで一番多いのが室内機からの水漏れです。
ドレン配管工事のポイントはしっかりと抑えておきましょう。
ドレン配管は外に向かって下り勾配が1/100以上あること
ドレン配管は基本的に屋外に向かって下り勾配となるようにしましょう。
具体的には勾配が1/100以上あることが目安となります。(水平配管が20cmの場合、2cmの勾配をつくる)
勾配をしっかりつくることでしっかりとドレン排水がスムーズに流れます。
異音がする際はドレン配管に逆止弁を取り付けること
まれに室内機のドレンから「ポコポコ」と異音が発生する場合があります。
これは室内の換気扇が運転中に室内が負圧となるため、ドレンが逆流するためです。
このような場合には、ドレン配管に逆止弁を設置すると解消されることがあります。
ポイントとしてはなるべく室内機に近い部分に取り付けるとより効果的です。
逆止弁は必ず設置しなければならない訳ではないですが、試運転などの際に異音がする場合は取り付けてあげましょう。
ドレン配管の先端部に土やホコリが入らないこと
ドレン配管の先端に土やホコリが入らないか施工後に確認しましょう。
土やホコリがドレン配管の詰まりの原因になることがあるので注意しましょう。
連絡配線工事のポイント

連絡配線工事はエアコンを安全に使用する上でとても重要です。
ここでは連絡配線工事の大事なポイントを確認していきましょう。
1.6mm以上の単線を使用しよう
エアコンの連絡線は基本的に単線の1.6mm以上を使用することが推奨されています。
エアコンの据付工事説明書をよく読み、該当の配線を使用しないと連絡線の発熱の原因となるので注意が必要です。
室内電源タイプは10m以上の場合2.0mmを使用しよう
室内機と室外機が離れている場合、機種によっては配線の太さを変更しなければならない場合があります。
これは長距離の場合、電圧降下が起きたり抵抗値が大きすぎて発熱する危険性があるためです。
施工条件をしっかりと確認し、場合によっては配線太さを変更しましょう。
仕上げ工事のポイント

エアコンの仕上げ工事は見栄えを良くする上でとても重要ですよね。
それ以外にも仕上げ工事をすることで雨水の侵入を防いだり、とても重要な工事です。
ここでは化粧テープの巻き方について1つだけ覚えておきましょう。
化粧テープは下から巻くことを意識しよう
化粧テープは下から巻くことで汚れや雨水が広がりにくくなります。
上から巻くのと下から巻くのとで汚れの広がり方がかなり変わるのでおすすめです。
化粧ダクトにはコーキングしよう
化粧ダクトはシリコンなどでしっかりとコーキングしましょう。
コーキングをおこたると化粧ダクト内部に雨水などが侵入し、冷媒配管の腐食などにつながりますので注意が必要です。
まとめ
今回はエアコンの取り付け工事におけるポイントや注意点について解説しました。
エアコン取り付けにおける基本ポイントを理解すれば、事故を防止するだけでなく効率的な運用と長寿命化につながります。
いい仕事をすれば次の仕事にもつながりますので是非実践してみてください。